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女性がうつ病になりやすいのは、月経、妊娠、出産、閉経時期です
●女性ホルモンの変化が起こる事柄とうつ病の関係
「うつ病」は、脳内の「セロトニン」や「ノルアドレナリン」といった物質が不足することで引き起こされる病気です。
これらの脳内ホルモンが不足する原因としては「強いストレス」がきっかけであると考えられていますが(詳しい原因については解明されていません)。
女性の場合はそれを引き起こす出来事が多く訪れます。それが「女性ホルモンのバランスの変化」です。
具体的には「月経」「妊娠と出産」「閉経」といった内容が挙げられます。
その他にもホルモンバランスを崩す出来事はありますが、これらは(妊娠と出産は常にではありませんが)確実に訪れる出来事であり、かつ劇的にホルモンバランスが崩れる出来事でもあります。
女性ホルモンの増減は「自律神経」にも影響します。
自律神経と性ホルモンの分泌は、どちらも「視床下部」で司っており、どちらかのバランスが崩れればもう片方にも悪影響を及ぼすということなのです。
それによって脳内ホルモンにも作用し、うつ病の原因となると考えられています。
●月経前症候群と「非定型うつ病」
月経前症候群は、通称「PMS」とも呼ばれる症状です。これを原因としたうつ病が、特に20代や30代の女性に多く見られています。
一般的なうつ病に対してこれを「非定型うつ病」と呼びます。
月経前症候群ではむくみや腹痛等の身体的な症状に加えてイライラや憂鬱、突発的な感情の揺れ動きなどの症状が起こります。
通常は月経の開始とともにこれらの症状はおさまるのですが、これをきっかけとしてうつ病の症状を発症することも少なくないのです。
症状の現れ方としては、普段は気分の落ち込みがあるのに好きなことだけは熱中できる、夕方に落ち込みが起こるといった、一般的なうつ病とは異なる症状を表すことが多いです。
●マタニティーブルーに伴ううつ病
出産後に起こる不安定な精神状態を「マタニティーブルー」と言います。
その原因は女性ホルモンの減少なのですが、実は厳密には「減少した」のではなく「元に戻る」という方が正しいです。
妊娠中は妊娠に向けた体作りとその維持のために女性ホルモンが多く分泌されるのですが、出産を終えるとともに妊娠前の状態まで戻ります。
元に戻るだけなのですがその減少幅が急激であることで一時的に不安や抑うつ感情、不眠といった症状を呈します。
これは一時的なもので通常は数週間で解消するのですが、月経前症候群と同様にこれをきっかけとして本格的なうつ病になることも十分に考えられます。
●更年期障害に伴ううつ病
更年期障害は、閉経に伴う女性ホルモンの急激な減少によって身体的、精神的共に様々な症状を呈するようになります。
この時期、おおよそ40代〜50代でしょうが、お子さんのおられるご家庭ではこの時期には子供が独立して家を出ることが多く、いわゆる「空の巣症候群」という精神状態に陥ることが多いです。
理由もなく急に気分が落ち込んだり、将来への不安に駆られることが多くなります。
うつ病が重症化しやすい精神状態になってしまうのですが、更年期障害に伴う精神状態の変化については、「ホルモン補充療法」によって改善することができます。
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同時に、更年期障害に伴う身体的な症状も改善することができ、身体機能の向上に伴って気分の落ち込みも改善される可能性があります。