SSRI抗うつ剤の7つの副作用

SSRIで気を付ける7つの副作用

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SSRI抗うつ剤

SSRIは、「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」という種類の抗うつ剤で、主にうつ病やパニック障害に使われる比較的新しいタイプの薬です。

 

旧世代の三環系抗うつ剤と比較するとこのタイプは今のところ大きな副作用はあまり報告されていませんが、「副作用が全くない安全な薬」という訳でもありません。

 

それでは、SSRIで注意すべき7つの副作用を挙げていきましょう。

 

「吐き気」は、SSRIではよく見られる副作用です。

 

SSRIはうつ症状を抑える脳内物質「セロトニン」を増加させる作用をもっていますが、このセロトニン受容体のほとんどが消化管にあり、そのため副作用が消化管に出やすいのです。

 

吐き気や嘔吐は、投与初期に見られることがありますが、しばらくたつと消失することが多いようです。SSRIと胃薬の併用もこの副作用には有効となっています。

 

「口渇・便秘」は抗うつ剤全般に見られる副作用ですが、SSRIでは比較的でにくくなっております。

 

この副作用は、軽度であれば様子をみますが、患者さんが苦しくて我慢できないような場合は減薬や副作用を減らす薬との併用をおこないます。

 

「性機能障害」は性欲低下や射精障害、勃起障害などで、内容的に患者さんが話題に挙げにくい副作用であるため見逃されやすいのですが、発生する頻度は比較的多いです。

 

性機能障害はあくまで副作用ですので、薬をやめれば治ります。性機能障害による支障が大きい場合には減薬や、性機能障害のでない他のタイプの薬に変更する場合もあります。

 

「眠気・不眠」の副作用はSSRIでは比較的でにくい副作用なのですが、人によって差があり、顕著に表れる場合もあります。

 

眠気は、SSRIの持つ抗ヒスタミン作用による副作用ですが、これは鼻炎などによく使われる抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤にもある副作用です。

 

 

SSRIも同様の効果で眠気が起きます。さらにSSRIではセロトニン2A受容体を刺激する物質が含まれており、その作用で逆に不眠という症状が出ることもあります。

 

眠気と不眠は相反する副作用のように感じますが、それぞれ別の原因でおきるものですので、矛盾しているわけではありません。

 

どちらが強くでてくるか、も個人差があります。これらの副作用も自然に消失する場合がほとんどですが、改善しない場合には減薬や薬を変えることもあります。

 

「めまい・ふらつき」も精神科系の薬ではよくある副作用ですが、SSRIでも副作用としては比較的高い確率で発生するものです。

 

例えば抗ヒスタミン作用の副作用である眠気からくるものだったり、アドレナリン受容体をブロックすることで血圧が低下してしまうことからくるものだったりと、めまいやふらつきを引き起こす原因がいくつも存在するので症状が出る率が高いのです

 

副作用が軽度であれば様子をみますが、改善がみられない場合は減薬や、血圧低下を起こしている場合は昇圧剤を併用する場合もあります。

 

「体重増加」も抗うつ剤ではよくある副作用ですが、SSRIでは比較的少ないとされています。

 

もともと体重増加はヒスタミン受容体がブロックされ抗ヒスタミン作用が起こることで食欲が増進してしまうのが理由ですが

 

SSRIでは少ない副作用ですので、本当にSSRIの副作用か見極める必要がでてきます。

 

食生活の改善や運動習慣の見直しなどを心がけてみて、それでも体重増加が止まらない場合は減薬や違うタイプの薬への変更を検討します。

 

その他の副作用として、重篤な副作用があります。「重篤な不整脈」はSSRIでは稀な副作用ですが、100%起こらないとは断言できない副作用です。

 

SSRIを服用している患者さんは、定期的に心電図をとるようにしましょう。

 

不整脈の他に、「アクチベーション症候群」という副作用があります。

 

投与初期に多いのですが、不安の増加やイライラの憎悪などがこの副作用の症状です。

 

この副作用を避けるため、通常SSRIは少量から投与しはじめ、症状に応じて徐々に増加していく、という治療形態をとることが多いです。

 

それでも、SSRIは従来の抗うつ剤に比べれば副作用は少なく、また軽いものがほとんどで、重篤な副作用は稀であるため、安全性の高い抗うつ剤と言えます。

 

しかし、上記の副作用と思われる症状が出てきた場合は、勝手に服薬中止などをせずに早急に主治医に相談してください。

 

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